2017年04月07日

Ghost in the Shell



日本の漫画「攻殻機動隊」はテレビアニメ化され、劇場版も作られている人気作品です。今回はハリウッドにより実写化され、その出来に注目が集まっていました。

アメリカでは既に公開されていますが、残念ながら酷評され大コケの様相。その原因が「ホワイトウォッシング」との批判。最近のハリウッドでは人種差別への配慮がとても必要なご様子で、東洋人や黒人の役を白人が演じることがタブー視された最初の作品とされてしまったようです。日本人役を白人の「スカーレット・ヨハンソン」が演じることが大きく批判されました。当の日本人が大歓迎しているのに当のアメリカで批判されるというのは変なものです。

日本の公開初日に3D吹き替え版を鑑賞してきました。上映時間の都合であり意図的に選んだわけではないですが、正解だったようです。アニメ版の吹き替えを担当した声優さんでアテレコされてました。

主演のスカーレット・ヨハンソンはとても良かったです。違和感もなかったですし、ストーリーから彼女が白人であることの理由もわかります。批判の矢面に立たされたヨハンソンは二度と人種の異なる役はやらないなんて言ってるようですが、はまり役と言ってもいいぐらい似合ってました。興行的にも失敗しているので続編はないでしょうが。つくづく残念です。

予告編から醸し出される安物B級感は全くなくて、全編にわたって素晴らし映像が続きます。見どころとなる派手な演出もありますが、それにもまして世界観となる背景なども細部にわたって見事に表現されています。ニューヨークと東京(日本)と香港とが良い感じに混ざった近未来感が見事です。

それで映画が面白ければいいんですが、そうでもないのが残念なところ。いくつか理由があります。

4.主人公である少佐が無能過ぎるし公安9課という彼女のチームも機能してない。実世界でも電脳世界でも圧倒的パワーを持っている役どころの筈なんだけれども、そんなこともなくただ普通。光学迷彩というツール以外に取り柄がないように見えてガッカリである。特殊能力者が集まってるはずの9課はバトーがちょっと活躍するぐらいでほとんど出番なし。なんでだ?

3.綺麗で印象的なシーンを繋いだだけでメリハリのない演出は最初から最後まで一本調子に見えて飽きてくる。確かに流麗ですし金もかかってるんでしょう。でもさ、もうちょっとハリウッドらしい演出あるでしょ。残念というかモッタイナイ。

2.荒巻役のビートたけしは出番も多く活躍の場も多いのだけれど、最も世界観になじんでなかった。日本語で演じていたようで吹き替え版でもアテレコなしでそのまま使われていたが、滑舌の悪い棒読みは世界観を壊すという悪影響でしかない。知名度だけで配役しちゃ駄目なんだよね。日本語版ならちゃんと声優を当ててほしかった。

1.脚本が良くない。ツマンナイ。世界観が小さいし、何の問題の解決にもなってなくてカタルシスの欠片もない。漂白ばかりが批判されちゃってるけれど、仮にそんな問題がなかったとしても、本当に問題なのはこの退屈な脚本でしょう。折角面白い題材があるのにこんな矮小な作品にしちゃってさ。腹がたってくる。

これから鑑賞を予定されている方は、ストーリー云々するのはやめて、頭をカラッポにして映像美だけ追うのがいいかもしんない。全くそれ以上ではないよ。

なお、日本では劇場版アニメの作成が決まったようです。STAND ALONE COMPLEX Solid State Societyの時と同じ神山さんが監督されるとか。こちらに期待しましょう。



posted by SSS at 21:53 | 映画 2017 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする